きみが生まれた日歌词由Anti-Trench演唱,出自专辑《ipo》,下面是《きみが生まれた日》完整版歌词!
きみが生まれた日歌词完整版
きみが生まれた日
きみはぷにゃぷにゃしたかたまりだった
ウミネコに似たきみの産声に
あかるい林檎がひとつ ころげた
きみは生まれた日 はじめて空と出会う
頭上高度二百五十キロメートルまで世界が延々とつづくよろこびと出会う
幼いきみの目は空のかけらをすうっと吸い込んで
そのまま瞳の最深部に閉じこめてしまう
雨降りも晴天も 夕暮れも星空も
いちまいのちいさなガラスにかえて
そこから外を覗けるように
隠しておく
だからきみはいまでも
ときどき目の底がぴかっとする
きみが生まれた日
きみはぷにゃぷにゃした惑星だった
生まれながらに身体のなかにひとつ海を持っていた
体温よりいつもすこしだけ冷えた海だ
きみがゆれると
海もゆれた
きみが声をあげると 魚がはじけた
きみが眠ると風はやんだ
これからきみが誰かに
両手をひしゃくにその水を汲んであげるとき
海ははじめてきみの温度を受け容れる
ぼくらはその海を
かなしみ と 呼ぶことがある
きみが生まれた日
星のどこかで
木々はさわぐのをやめ トラがあくびをして
そびえたつ岩の中にひそむオパールは 月あかりを待っていた
ひとつの花が踏みつけられ 手を叩く人がいて
ひかりがそこかしこに降りかかっていた
いまも
見るんだ
きみの瞳の底できみを待っている
いちまいのガラスをとおして
それは
飛行機雲交じりの ソーダに似た青だったか
昆虫の眼のようにさざめく 賑やかな星空だったか
折り重なった花びらのような薄曇りだったか
扁桃腺をひらいてみせるような桃色だったか
狼のタテガミのように灼けつくオレンジだったか
きみは
守られている
見るんだ
いまも 星のどこかで
鳴いた鳥が撃たれ 雨が作物を濡らし
手をつないで輪を描いて踊る人がいて
卵がひとつ孵り きみは目をあける
だれかの手にふれては やわらかくて泣いて
海が
ふるえる音を
聞く
ひかりがそこかしこに降りかかっている
ひかりがそこかしこに降りかかっている
だからきみはいまでも
ときどき目の底が
ぴかっ とする